曲紹介|交響曲第1番「指輪物語」 /The Lord of the Rings

交響曲第1番「指輪物語」
Symphony No.1 "The Lord of the Rings
ヨハン・アブラハム・デ・メイ(Johannes(Johan) Abraham de Meij)

▼曲の解説
イギリスの作家ジョン・R・R・トールキンのファンタジー小説『指輪物語』を題材に、1984年3月から1987年12月にかけて作曲された、デ・メイの最初の本格的な作曲作品である。5楽章からなる演奏時間約42分の吹奏楽のための交響曲。

各楽章は
1楽章:魔法使いガンダルフ(Gandalf (The Wizard))
2楽章:エルフの森ロスローリエン(Lothlórien (The Elvenwood))
3楽章:ゴクリ(スメアゴル)(Gollum (Sméagol))
4楽章:暗闇の旅(Journey in the Dark)
5楽章:ホビット(Hobbits)

に分かれている。魔法使いガンダルフのテーマともいえる冒頭トランペットのファンファーレは随所に使用され、その後の交響曲全体を彩るガンダルフのテーマも印象的。各楽章をストーリー仕立てに進むわけでは無く、各モティーフに合わせたテーマや雰囲気を表現している。2楽章は木管楽器やフリューゲルホルンを使用した柔らかな色彩、そして打楽器による木々の揺れや森の小動物など、ストーリーを知らずとも風景が想像できるよう。


▼青陵としての取り組み
青陵ウインドオーケストラでは過去3回の定期演奏会で取り組んでいます。それだけ人気の曲であり、吹奏楽の近代交響曲としては40分を越える大曲。往年の吹奏楽ファンも楽しめる内容になっています。特にソプラノサックスのソロ表現や西村友氏によるタクト(3楽章が特にスゴイ)は毎回大評判。すべての旅を終えて、主人公たちの船出のシーンには涙がこぼれ落ちます。


▼演奏のポイント
1楽章は明快な音楽。演奏で苦戦した箇所は2楽章はソロの応酬なのでなかなか人が集まらないと曲作りができないという社会人ならではの問題がありました。それ以外に、3楽章の変拍子にはかなり苦戦、曲作りというよりは曲になれるまでに時間がかかったなという印象。また音楽自体にパワーがあるので金管楽器の音が割れてしまうなど技術面の取り組みもたくさん勉強になった1曲です。



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